相続人の立場からは自筆証書遺言と公正証書遺言はどちらがよいですか。
(2)自筆証書遺言がある相続
自筆証書遺言がある場合、遺産の分配は、相続人が話し合うのではなく、その遺言の内容に従うということになります。つまり、話し合いは不要です。
ただし、実際の相続に取り掛かる前に、検認をしなければなりません。この検認とは、家庭裁判所において相続人が自筆証書遺言を確認するための手続きのことです。銀行預金であれ不動産であれ、遺言に指示のある遺産は検認をした後でなければ相続できません。
検認の申立ては、相続人のうち誰か1人がすればよいのですが、その申立てをするには相続人全員分の戸籍などを添付しなければなりません。
その後、検認の通知が相続人全員に送られます。検認がおこなわれる当日は、相続人全員が家庭裁判所で立会う必要はなく、参加するしないは各相続人の自由です。
この検認を経ることによって、ようやく自筆証書遺言は、遺言として相続の効力を持つことになります。
つまり、検認までは相続の前段階に過ぎません。ここから実際の相続の手続きに取り掛かっていくのです。
[根拠法令]
民法1005条(過料)第千五条 前条の規定により遺言書を提出することを怠り、その検認を経ないで遺言を執行し、又は家庭裁判所外においてその開封をした者は、五万円以下の過料に処する。