下田行政書士事務所

NPO活動とはどのような活動のことですか。

まず、NPO活動の「NPO」という部分についてですが、これは正確には法令上の言葉ではありません。

「NPO」は「Nonprofit Organization」または「Not-for-Profit Organization」の略だとされています。直訳すれば「利益のためでない組織」や「非営利の組織」となるでしょうか。

わが国の法律では、そのような組織・団体のうち日本で法人格を得たものをとくていえいかつどうほうじんといいます。ですから、「NPO活動」を法令上の言葉に沿っていえば、「特定非営利活動」となります。

これがいかにも法令の言葉らしく堅苦しいといいますか、舌が回らないといいますか、公式の場ならともかく日常的にはいいにくいので、俗に「NPO活動」というわけです。


さて、NPO法人がおこなうNPO活動とは、非営利的であればどんな活動でもよいのではなく、文字通り特定の非営利活動です。

この特定の非営利活動が指すものは法令によって定められています。とはいえ、定めがあるのは分野だけで、具体的な活動内容まで細かく定めがあるのではありません。

つまり、NPO活動とは、分野こそ法令に定めがあるものの、その具体的な内容はそれぞれのNPO法人が自由に考え実行して構わないのです。

法令の定める特定非営利活動の分野

法令の定める特定非営利活動とは、2024年1月現在、以下の分野のいずれかに該当し、不特定かつ多数のものの利益の増進に寄与することを目的とするものです(特定非営利活動促進法2条1項)。

  1. 保健、医療又は福祉の増進を図る活動

  2. 社会教育の推進を図る活動

  3. まちづくりの推進を図る活動

  4. 観光の振興を図る活動

  5. 農山漁村又は中山間地域の振興を図る活動

  6. 学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動

  7. 環境の保全を図る活動

  8. 災害救援活動

  9. 地域安全活動

  10. 人権の擁護又は平和の推進を図る活動

  11. 国際協力の活動

  12. 男女共同参画社会の形成の促進を図る活動

  13. 子どもの健全育成を図る活動

  14. 情報化社会の発展を図る活動

  15. 科学技術の振興を図る活動

  16. 経済活動の活性化を図る活動

  17. 職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援する活動

  18. 消費者の保護を図る活動

  19. 前各号に掲げる活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡、助言又は援助の活動

  20. 前各号に掲げる活動に準ずる活動として都道府県又は指定都市の条例で定める活動

上記20号にあるとおり、この法律(特定非営利活動促進法)による定めだけでなく、設立しようとするNPO法人の所在地の条例によって定めがある場合もあります。

[根拠法令]
特定非営利活動促進法2条1項
(定義)

第二条 この法律において「特定非営利活動」とは、別表に掲げる活動に該当する活動であって、不特定かつ多数のものの利益の増進に寄与することを目的とするものをいう。