合同会社と株式会社との違いは何ですか。
(3)利益分配の自由度
会社を設立し、その事業が順調であれば、利益が出ます。合同会社であれ株式会社であれ、利益は出資者に分配しなければなりません。
この利益分配の割合を、合同会社は自由に定めておくことができます。この自由は株式会社にはありません。自動的に決まるからです。
とはいえ、この話は、出資者も役員もあなた1人だけの会社であれば、合同会社でも株式会社でも同じことです。あなたが利益を総取りするだけだからです。
では、もう少し具体的に説明しましょう。
ある会社の出資金が総額100万円だったとします。内訳はA氏が70万円の出資、B氏が30万円の出資でした。7対3の割合です。
この会社が株式会社だった場合、出資の割合がそのまま利益分配の割合になります。したがって、この会社に利益が出たときに分配されることになる利益の割合は、A氏とB氏ではそのまま7対3となります。
この会社が合同会社だった場合、A氏とB氏の出資割合が7対3でも、利益分配の割合が7対3とは限りません。自由に定めておくことができます。7対3のままでも構いませんし、9対1でも5対5でも構いません。あるいは、3対7のように多く出資したA氏が少ない割合にすることも可能です。
繰り返しますが、この違いは、出資者も役員も自分1人だけという会社であれば、それが合同会社ではなく株式会社だったとしてもあまり差はありません。
この違いが有用になるのは、例えば、A氏は潤沢な資産を持っており、B氏は資産はないもののある事業に必要不可欠な知識や技術を持っている、というような場合です。
この場合、出資金の割合と利益分配の割合が等しいと却って不公平であるケースがあるかもしれません。等しい割合ではB氏の協力が得られないことも考えられます。B氏は資産を持っている別の人と組んで起業してもよいからです。
利益を生み出す源とは、必ずしも金銭だけとは限りませんから、利益分配の割合を柔軟に定めるためその自由度の違いを活かし、株式会社ではなく合同会社を設立するという選択肢があります。