合同会社と株式会社との違いは何ですか。
(2)経営のコスト
会社を経営するにはさまざまなコストがかかります。この「コスト」とは、もちろん金銭という意味だけでなく、時間や手間なども含まれます。
合同会社と株式会社とを比較した場合における経営のコストとは、①決算公告と②役員の選任のコストのことです。
①決算公告のコスト
決算公告とは、会社の財務関係の資料を事業年度ごとに公表することです。
株式会社には、この決算公告をする義務があります。
合同会社も決算をする必要はありますが、それを公表する義務はありません。
②役員の選任のコスト
役員とは、会社の経営陣のことです。いわゆる社長も役員ですから、ここでは役員を「社長」と書くことにします。
合同会社の場合、社長の任期に機嫌がありません。ですから、同じ人がずっと社長として経営を続けることができます。むしろ同じ人が続けることが前提だともいえます。
長く経営を続けていれば誰でもいずれは退任する時が来ます。しかし、合同会社では、数年ごとに区切られる任期によって強制的に辞めることにはなりません。
もちろん、経営上の問題やそれ以外の問題を起こし、その責任を問われるような事態になってしまえば事実上強制的に退任することになるかもしれませんが、それは株式会社でも同じことです。
株式会社では、社長の任期をあらかじめ定めておく必要があります。その近畿が満了すれば退任です。引き続き同じ人が社長を続けるには株主総会の議決でもって再任されなければなりません。
つまり、任期が満了するたびに、それまでの経営を株主たちにチェックされるのです。任期が1年の会社なら1年間の、5年の会社なら5年間の経営内容・経営結果が問われます。いくら自分に社長を続けるつもりがあっても株主が同意しなければ別の人が社長になってしまいます。
仮に、あなたが自身の事業のために株式会社を設立したとして、その費用全てを自己資金から出し、誰からも出資を受けていない場合は、社長も株主もあなた、ということになります。
ということは、任期が満了しても株主総会において株主のあなたが社長のあなたを再任すればよいのですから、自身が望むかぎり社長を続けられます。
要するに、会社の規模が小さいうちは、合同会社と株式会社とで、大きな差はないのです。
しかし、ここで問題にしているのはコストです。株式会社では株主総会のたびに再任の手続きをしていかねばなりませんから、その費用・手間・時間はかかります。その点、期限そのものがない合同会社のほうが有利といえます。